子宮が大きいに隠れた病気とは？不妊や流産の原因？症状・治療法まとめ

2016/05/25 2017/06/14

「子宮が大きい」妊娠検査や子宮頸がん検診で産婦人科の先生から言われた。
ブライダルチェックや定期健診などの腹部エコーで、普通よりも子宮のサイズが大きいことがわかった。

毎月の生理や妊娠・出産と深い関係がある「子宮」。
子宮が大きいと何か病気なの？そもそも子宮が大きくなる原因ってなに？
妊活中の場合は不妊や流産の原因になるのかも気になりますよね。

今回は「普通よりも子宮が大きめ」に隠れている病気の症状やリスク・治療法、そして不妊症や流産に繋がる可能性についてご紹介します。

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1 子宮が大きい原因は？
2 4人に1人かかる子宮の病気「子宮筋腫」
3 子宮が大きくなる「子宮筋腫」の症状
4 子宮の腫瘍「子宮筋腫」の治療法
5 子宮の病気「子宮筋腫」は不妊や流産の原因になる？
6 子宮が大きいと疑われる病気「子宮腺筋症」
7 子宮が大きくなる「子宮腺筋症」の症状
8 「子宮腺筋症」の治療は先進医療対象
9 子宮の病気「子宮腺筋症」は不妊や流産の原因になる？
10 子宮が大きいに隠れた病気とは？まとめ

子宮が大きい原因は？

正常な子宮の大きさは鶏の卵くらいで7-8cm。それ以上の大きさの場合「子宮のサイズが大きい」といわれます。

子宮のサイズは遺伝の関係もあり、母親の子宮が大きいと子供も大きいことがあります。
子宮の大きさには個人差があるので、子宮のサイズが大きいだけでは特に問題はありません。
ただ大きい子宮は内膜の面積が広いので出血量が多くなりやすく、子宮内膜症などの発症リスクが高くなるという報告があります。

心配なのは、子宮の中にできた筋腫などの病気が原因で子宮が大きくなっているケースです。
子宮が大きい場合はどんな病気が疑われるのでしょうか？詳しくみてみましょう。

4人に1人かかる子宮の病気「子宮筋腫」

子宮筋腫は子宮筋層にできる良性のコブのような腫瘍で、成人女性の3～4人に1人の割合でみられる病気です。

子宮筋腫はできた場所により「筋層内筋腫：きんそうないきんしゅ」「粘膜下筋腫：ねんまくかきんしゅ」「漿膜下筋腫：しょうまくかきんしゅ」の3つに分かれます。
二つ以上の筋腫が同時にできることを「多発性筋腫」といいます。

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子宮が大きくなる「子宮筋腫」の症状

子宮筋腫の代表的な症状は「月経量が増える（過多月経）」「月経期間が長引く」「月経痛が強くなる」。

筋腫の大きさやできた場所により症状が違うので、以下に筋腫のできた場所別の症状をまとめました。

子宮筋腫①筋層内筋腫（きんそうないきんしゅ）

子宮筋腫の中で最も多いのが、子宮の筋肉の中にできる「筋層内筋腫」。全体の70%前後がこのケースです。

筋腫が小さいうちは症状がほとんどありませんが、筋腫が大きくなると子宮内膜の面積が広がるので月経量が増える（月経過多）、月経の期間が長引き貧血になることも。
下腹部痛や腰痛を起こすこともあります。

子宮筋腫②粘膜下筋腫（ねんまくかきんしゅ）

子宮の内側にできる筋腫。子宮の内側に向かって大きくなっていくので、小さな筋腫のうちから月経過多や月経痛など症状が強くでやすいのが特徴です。

筋腫が受精卵の着床を妨げ不妊や流産の原因にもなることがあります。

子宮筋腫③漿膜下筋腫（しょうまくかきんしゅ）

子宮全体をおおっている漿膜（しょうまく）の下にできる筋腫で、子宮の外側に突き出すような形で大きくなっていきます。

子宮筋腫の中でも自覚症状が少ないですが、子宮の周りにある膀胱や直腸を圧迫するため頻尿や便秘などの症状が出ることがあります。

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子宮の腫瘍「子宮筋腫」の治療法

子宮筋腫は良性の病気なので、すぐに治療が必要というわけではありません。

特につらい症状がなく筋腫が小さい場合は、治療をせずに様子をみる「経過観察」を行います。筋腫が大きい場合は、薬物療法又は手術療法が必要になります。

手術は子宮を残して筋腫のみを切除する「筋腫核出手術」と、子宮を全部とる「子宮全摘出術」があり、筋腫の状態・将来妊娠を希望するかなどにより治療法が選ばれます。

子宮の病気「子宮筋腫」は不妊や流産の原因になる？

子宮筋腫が必ずしも不妊症の原因になるとは限りません。筋腫をもったまま妊娠する人もいます。
一般的に筋腫が握りこぶし大以上だと手術の対象になりますが、妊娠中は子宮を傷つけて赤ちゃんに影響するといけないので、基本的に手術は行いません。

子宮の筋肉の中にできる「筋層内筋腫」や子宮全体をおおっている漿膜（しょうまく）の下にできる「漿膜下筋腫」は、筋腫が見つかっても経過観察になる場合が多いです。

注意したいのが子宮のいちばん内側の層にできる「粘膜下筋腫」。

わずか1cmでも過多月経や貧血など症状が出やすく、筋腫の存在が着床を妨げ不妊症や流産の原因になることもあります。
小さくても手術療法が必要になることも多く放ってはおけません。

子宮が大きいと疑われる病気「子宮腺筋症」

子宮の内側をおおっている子宮内膜は、妊娠しないとはがれ落ちて月経となります。この子宮内膜の組織が子宮筋層の中にもぐり込んで増殖してしまう病気が子宮腺筋症（しきゅうせんきんしょう）で、子宮内膜症と同様の病気です。

子宮筋腫や子宮内膜症と合併して起こることも多い病気で、月経を繰り返すことで増殖・はく離がくり返されるため激しい痛みが起こります。
子宮腺筋症は子宮壁が厚くかたくなり、子宮全体が大きくなっていきます。

子宮が大きくなる「子宮腺筋症」の症状

子宮腺筋症の代表的な症状は「月経量が増える（過多月経）」「腹痛・下腹部痛」です。

月経の回数を重ねるごとに痛みが強くなっていくのが特徴です。
病状が進むと、月経量がとても多くなり貧血を起こすことや、生理の時以外でも腰痛、性交痛、排便痛といった症状がでることもあります。
また子宮がだんだんと腫れてくるので、子宮卵管造影をすると子宮が大きくなっているのがわかります。

「子宮腺筋症」の治療は先進医療対象

治療法は薬物療法と手術療法があり、症状の進行度合いや妊娠を希望しているかにより選ばれます。

薬物療法では、低用量ピルやジエノゲストなどのホルモン剤を使って排卵を止めたりホルモンのレベルを下げることで症状の改善を期待するホルモン療法がメインです。

子宮腺筋症は健康な組織との境目がはっきりしていないため、どこまでを切除するかとても難しい手術になります。
2005年厚生労働省の先進医療として『高周波切除器を用いた子宮腺筋症核出術』が認められ、一部の病院で実施されています。

⇒関連リンク：厚生労働省「先進医療の概要について」

子宮の病気「子宮腺筋症」は不妊や流産の原因になる？

子宮腺筋症が必ずしも不妊症の原因になるとは限りません。

ですが子宮腺筋症は子宮壁もかたく厚くなるため、受精しても着床しにくくなってしまいます。
そして卵管や子宮との癒着などが原因で、精子や受精卵の通過を妨げてしまい着床率を下げるので妊娠しにくくなると考えられています。

子宮が大きいに隠れた病気とは？まとめ

「子宮が大きい」と医師から言われたら、誰でもびっくりして不安になりますよね。
子宮は、妊娠・出産といった女性のライフスタイルに大きく関わる特別な臓器です。

今回紹介した通り、子宮のサイズが大きいというだけでは特別問題はありません。
気をつけたいのは、子宮筋腫、子宮内膜症そして子宮腺筋症など隠れた子宮の病気です。

子宮筋腫は女性の病気の中でもとくに多い病気で、成人女性の3～4人に1人の割合で子宮筋腫があるといわれています。
子宮筋腫は治療をせずに様子をみる「経過観察」のケースも多いですが、筋腫のできた場所によっては不妊症の原因になることもあります。
子宮腺筋症も不妊や流産の可能性になることもあり、自然と治る病気ではありません。

子宮の病気も早期発見・早期治療で進行を抑えたり、症状を軽減することができます。
定期健診を受けるとともに、以前よりも生理の量が増えた・月経痛がひどくなったなど異常を感じた場合はなるべく早くに婦人科を受診しましょう。

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